労働条件等関係助成金は、中小企業が従業員の働きやすい環境を整備する際に活用できる国の支援制度であり、賃金の引上げや労働時間の短縮、休暇取得の促進、安全衛生対策など幅広い取り組みを対象としています。設備投資や制度導入にかかる費用の一部を助成する仕組みとなっており、企業の経営改善と従業員の労働条件向上を同時に後押しすることを目的としています。
当事務所で取り扱っている代表的なものは働き方改革推進支援助成金と業務改善助成金があります。
働き方改革推進支援助成金
「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」は、中小企業が労働時間の削減や年休取得促進に取り組む際に、設備導入や制度整備にかかる費用を助成する制度です。
助成額は取組内容や成果目標に応じて、25万円~最大150万円程度が目安となります。
■ 労働時間短縮コース
- 所定労働時間の短縮や残業削減のための制度導入を支援
- 例:週休3日制、所定労働時間の短縮、ノー残業デーの導入
- 勤怠管理システムや労務管理ソフトの導入費用も対象
- 成果目標に応じて 50万円・100万円・150万円 の助成上限
- 賃金を3%以上引き上げた場合は 6万~60万円加算(5%以上で最大240万円、7%以上で最大360万円)
- 常時使用労働者30人以下の企業は加算額が2倍
■ 年休促進支援コース
- 年次有給休暇の計画的付与や取得促進の取組を支援
- 例:計画年休制度、半日休暇・時間単位休暇制度の導入
- 就業規則改定や勤怠管理システム導入費用も助成対象
- 成果目標に応じて 25万円/事業所 が助成
- 特別休暇(病気休暇・教育訓練休暇・ボランティア休暇・不妊治療休暇など)の導入も対象
取り組む前の計画段階から一緒に助成金を活用できる環境を整えます。
業務改善助成金
業務改善助成金は、最低賃金の引き上げに伴う中小企業の負担を軽減するために設けられた制度です。
企業が生産性向上や労働環境改善につながる設備投資を行った場合、その費用の一部が助成されます。対象となる設備には、POSレジや勤怠管理システム、業務効率化のための機械設備などが含まれ、職場環境の改善や業務効率化を目的とした取組が条件となります。さらに、制度整備や就業規則の改定といった取り組みも対象になる場合があります。
申請期限は毎年度定められ、予算枠に達すると早期終了する可能性があるため、計画的な準備が重要です。